※本記事は、2024年12月25日時点の情報をもとに記載しています。
令和6年度補正予算案で新たに盛り込まれた新たな補助金「新事業進出補助金」。
気になっている方も多いのではないでしょうか?
12月25日(水)、中小企業庁HPに新たな情報が公開されましたので、今回はその内容を見ていきましょう!
関連記事:令和6年度補正予算案について
<速報>新たな補助金も!令和6年度・中小企業関連補正予算案~前編~
<速報>新たな補助金も!令和6年度・中小企業関連補正予算案~後編~
- 『新事業進出補助金』について知りたい方
- 自分も申請できるのか、申請要件が気になっている方
1. 「新事業進出補助金」の概要
「新事業進出補助金」は、中小企業・小規模事業者の成長につながる新事業進出・事業転換を重点的に支援するための新たな補助金で、「事業再構築補助金」の後継的位置づけのものとなります。
2024年12月25日に中小企業庁HPに公開されたチラシによると、概要は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
補助対象者 | 企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等 |
補助上限額 | 従業員数20人以下 2,500万円(3,000万円) 従業員数21~50人 4,000万円(5,000万円) 従業員数51~100人 5,500万円(7,000万円) 従業員数101人以上 7,000万円(9,000万円) ※補助下限750万円 ※大幅賃上げ特例適用事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃金+50円、②給与支給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。) |
補助率 | 1/2 |
基本要件 | 中小企業等が、企業の成長・拡大に向けた新規事業(※)への挑戦を行い、 (※事業者にとって新製品(又は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であること) ①付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加 ②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における 最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、 又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加 ③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準 ④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組むこと。 |
補助事業期間 | 交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内) |
補助対象経費 | 建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費 |
その他 | ・収益納付は求めません。 ・基本要件②、③が未達の場合、未達成率に応じて補助金返還を求めます。ただし、付加 価値が増加してないかつ企業全体として営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を免除します。 |
前回の記事でもご紹介した通り、事業者の皆さまから要望の多い「建物費」が対象に含まれています。
利用用途が幅広く、新たな挑戦を力強く支援してくれる補助金です!
2. 申請要件のポイント
前章に記載の通り、申請にあたっては満たすべき要件があります。
ここでは、前身の補助金である「事業再構築補助金」と比較した際のポイント3点を見ていきましょう。
1. 収益納付が求められなくなった!
概要に記載されている「収益納付」ってなに?
と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
収益納付は、簡単にご説明すると「補助金を使って儲かった分は、その全部または一部を国庫に返納する」という制度です。
「事業再構築補助金」では、この収益納付が義務付けられており、
例えば、
・補助金を使って機械装置を購入。その機械装置で生産した商品から利益が出た。
・補助金を使って展示会に出展。商談が成立し利益が出た。
というケースは、収益納付の対象(※)となります。
※収益納付の対象となるか否かや、納付金額には別途各種規定があります。本記事では詳細は割愛します。
せっかく利益が出ても返納しなければならないということで、企業にとって心理的・実務的な負担となっていました。
一方、今回の「新事業進出補助金」では、収益納付が求められません!
補助金により収益性向上の効果を最大限享受することができ、より活用しやすくなります。
2. 最低賃金+30円以上の水準が求められるように!
「新事業進出補助金」では、「事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準」を実現する事業計画であることが、基本要件となっています。
これは、前身の補助金「事業再構築補助金」にはなかった(※)要件です。
今回、この要件が盛り込まれた背景には、補助金を受ける企業における賃金改善を促す目的があると思われます。
※補助上限額の上乗せ要件にはなっていましたが、基本要件ではありませんでした。
現在の事業所内最低賃金の金額によっては、人件費増加を見越した事業計画が必要となるため、申請前に自社の現状をしっかりと把握し、対応策を練ることが大切です。
3. 「構築物費」が対象に!
「新事業進出補助金」では、事業再構築補助金では対象外であった「構築物費」が対象になっています。
「構築物」とは、建物や建物付属設備以外の土地に定着している土木設備や工作物で、壁に囲まれていないものを指します。
具体的には: 塀、門扉、棟梁、看板、貯水用タンク などが挙げられます。
構築物費が対象経費となることで、より広範囲な事業計画にも対応できるようになると考えられます。
このように、新たな補助金「新事業進出補助金」は、収益返納が不要となり、また構築物費が対象となるなど、より使いやすくなる一方、賃金要件が盛り込まれるなど、注意が必要なポイントもあります。
申請にあたっては、これらの要件をしっかり押さえていきましょう!
3. まとめ
本記事では、「新事業進出補助金」の概要をご紹介しました。
2024年12月25日(水)時点で、公募開始時期は「調整中」です。
補助金の公募は、予算成立後に詳細が決まったものから順次実施されます。
公募から申請締切までの期間が短いものもあり、補助金を有効に活用するには早め早めの準備が大切です。
補助金の活用をお考えの方は、是非エム・アイ総研にご相談ください。
中⼩企業の事業者様の資⾦調達⼿段の1つである補助⾦・助成⾦について、情報提供から 申請⽀援、採択後のご支援まで、事業者様のご希望をお伺いしながらサービス提供いたします。
補助金・助成金活用をご検討の際は是非ともお気軽にお声がけください。