※本記事は、2024年12月16日時点の情報をもとに記載しています。
2024年12月6日、政府は令和6年度補正予算案を公表しました。
こちらには、既存補助金の充実に加え、新たな補助金の創設も盛り込まれています!
本日は、この補正予算案の概要と「ものづくり補助金」等の既存補助金の動向をみていきましょう。
- 今後の補助金の動向がどうなるのか気になっている方
- 新たな補助金について知りたい方
- 『ものづくり補助金』等、補助金・助成金の活用をお考えの方
1. 令和6年度補正予算案(中小企業関連予算)の概要
2024年12月6日に政府が公表した資料によると、中小企業関連予算のポイントは以下4点です。
令和6年度補正予算案(中小企業関連予算)のポイント
- 持続的な賃上げを実現するための生産性向上・省力化・成長投資支援
- 価格転嫁対策の強化
- 資金繰り支援、経営改善・事業再生・再チャレンジ支援
- 中小企業・小規模事業者活性化 (相談体制強化等)
この中で、補助金との関連が特に深いのは、“1.持続的な賃上げを実現するための生産性向上・省力化・成長投資支援”!
・ 生産性向上支援の拡充 ・ 新事業への進出にかかる支援の推進 ・ 成長支援の新設・強化 ・ 省力化投資支援の運用改善 |
を目的として、以下の「既存補助金の充実」や「新たな補助金の創設」といった施策を強力に推進する内容となっています。
- 既存補助金の充実
生産性向上、デジタル化推進、地域経済振興等の支援を目的として、「ものづくり補助金」「IT導入補助金」などの制度が継続・拡充されます。 - 新たな補助金の創設
「新事業進出補助金」「中小企業成長加速化補助金」「中小企業省力化投資補助事業(再編)」といった複数の補助金が新設され、中小企業の新事業進出や挑戦が強力に支援されます。
2. 既存補助金は何が変わる?
ここからは、既存補助金である「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」「事業承継・M&A補助金」について、何がどう変わるのかを見ていきましょう。
1. ものづくり補助金
- 最低賃金近傍の事業者に対する支援として、補助率を1/2→2/3に引上げ
- 製品・サービス高付加価値化枠について、21人以上の中小企業を対象に、補助上限を引上げ
- 賃上げ動向を踏まえ、賃上げ要件、運用等を見直し 等
<12月16日 情報追加>
要件等について、新たに以下の情報が追加公開されました!
【基本要件】
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行 ①付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加 ② 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上 又は 給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加 ③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準 ④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ) ※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみとする。 |
【支援内容】
項目 | 製品・サービス高付加価値化枠 | グローバル枠 |
---|---|---|
概要 | 革新的な新製品・新サービス開発による高付加価値化 | 海外事業の実施による国内の生産性向上 |
補助上限 | 5人以下750万円(850万円) 6~20人1,000万円(1,250万円) 21~50人1,500万円(2,500万円) 51人以上2,500万円(3,500万円) | 3,000万円(3,100万円~4,000万円) |
(特別措置) | 大幅賃上げ特例(補助上限額を100~1,000万円上乗せ。上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。最低賃金引上げ特例事業者、各申請枠の上限額に達していない場 合は除く。下記①、②のいずれか一方でも未達の場合、補助金返還義務あり。) ①給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加、②事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準 | |
補助率 | 中小企業1/2、小規模・再生2/3 | 中小企業1/2、小規模2/3 |
(特別措置) | 最低賃金引上げ特例(補助率を2/3に引上げ(小規模・再生事業者は除く)。 ・指定する一定期間において、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いること |
【補助対象経費】
<共通> 機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費 <グローバル枠のみ> 海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費 |
2. IT導入補助金
- 最低賃金近傍の事業者に対する支援として、補助率を1/2→2/3に引上げ
- セキュリティ枠の補助上限引上げ・要件見直し
- 汎用ツール・導入後支援の補助対象化 等
3. 小規模事業者持続化補助金
- 経営計画の策定に重点化し、枠の整理等、制度を簡素化(通常枠、創業枠等に再編等)
<12月16日 情報追加>
要件等について、新たに以下の情報が追加公開されました!
ここでは、広く利用しやすい「一般形の通常枠」と「創業型」に絞ってお伝えします。
項目 | 一般形の通常枠 | 創業型 |
---|---|---|
枠の 区分の 詳細 | 小規模事業者等が取り組む販路開拓の取組等の経費 | 認定市区町村による特定創業支援等事業の支援を受けた小規模事業者等が取り組む販路開拓の取組等の経費 |
内容 | 機械装置等費、設備処分費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、借料、委託・外注費等 | 機械装置等費、設備処分費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、資料購入費、借料、委託・外注費等 |
補助率 | 2/3 (賃金引上げ特例の対象事業者で業況が厳しい事業者は3/4) | 中小企業1/2、小規模2/3 |
補助 上限 | 50万円(インボイス特例対象事業者は100万円、賃金引上げ特例対象事業者は200万円、両特例対象事業者は250万円)注1 | 200万円(インボイス特例対象事業者は250万円) 注1 |
注1:2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者及び2023年10月1日以降に創業した事業者のうち、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者に対して、補助上限額を一律50万円上乗せする。
4. 事業承継・M&A補助金
- PMIを後押しするためのPMI推進枠の創設
- 早期承継促進のための枠再編(事業承継促進枠への改変等)
- M&Aのトラブル防止に資するDD費用の支援拡充
- 100億企業創出加速化を図るための補助上限の引上げ
このように、今回の補正予算案では、補助率の引上げや要件の変更等が行われ、より使い勝手がよく、政策効果の高い支援制度に見直しがなされています。
次回の記事では、「新設される補助金」について見ていきましょう!
3. まとめ
本記事では、令和6年度補正予算案の概要と「ものづくり補助金」等の既存補助金の動向をご紹介しました。
具体的な補助金の公募は、予算成立後に詳細が決まったものから実施されます。
公募から申請締切までの期間が短いものもあり、補助金を有効に活用するには早め早めの準備が大切です。
補助金の活用をお考えの方は、是非エム・アイ総研にご相談ください。
<速報>新たな補助金も!令和6年度・中小企業関連補正予算案~前編~ ※本記事
<速報>新たな補助金も!令和6年度・中小企業関連補正予算案~後編~
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