補助金採択、おめでとうございます!
早速ですが、まず押さえておきたいのが「見積書と相見積書(あいみつ)」取得のルール。
今回は、特に複雑でお問い合わせも多い「システム開発の見積書」に的を絞って、基本と注意点をわかりやすくまとめました。
1. まずは基本を押さえましょう
システム開発の見積書も、機械設備の見積書と同じく、詳細で具体的な記載と、相見積が必要です。
以下をご参照ください。
その1 見積書の基本篇
その2 相見積の基本篇
2. システム開発の見積書の注意点
1) なぜシステム開発の見積書は要注意なのか?
システム開発は「プログラム」という無形の成果物を生み出すものです。機械設備であれば、メーカー名・型番・仕様が明確で、市場価格との比較が容易ですが、システム開発は、仕様や完成形が外部から判断しにくいという特性から、過大請求や工数の水増しが起こりやすいと、事務局から見なされている可能性があります。
(実際に過去、システム開発案件での不正(発注元と受注先の関係性による価格操作など)が比較的多く報告されているようです。)
よって、システム開発の交付申請には、特有の資料を準備することが求められています。
2) 見積書に含めるべき項目
システム開発の見積書では、以下の項目を含めることが、事務局より定められています。
[記載必須事項]
① システム開発工程別見積単価
② 機能別単価
上記 ①、②どちらか一方或いは両方を記載する必要があります。
単価は全て人月又は人日で算出した金額を記載してください。「XX機能 1式」のような記載は認められません。
パッケージソフトウェア(ASP/クラウド型サービスを含む既成ソフトウェア)を元にした開発を行う場合は、パッケージソフトウェアの単価、及びカスタマイズ費用(自社専用仕様にするための追加開発費用)を記載する必要があり、カスタマイズ部分に関しては、上記の「システム開発」のガイドラインと同様の明細が必要です。
3) システム開発会社の概要書の添付
補助金の審査では、発注先が本当に事業を行っている実在企業か、システム開発や販売の実績を持っているかを確認するため、見積書だけでなく会社概要も添付することが求められます。
概要書に含めるべき内容(一般的な構成)
- 会社基本情報
- 連絡先
- 事業実績
- 許認可・資格
- 特定の認証(例:プライバシーマーク、ISO認証)
- 登録番号(法人番号など)
上記の情報が含まれる会社概要を用意しましょう。
補助金事務局は、価格の妥当性だけでなく、取引先の信頼性や実績も審査します。
特にシステム開発の場合、不正事例(架空会社や休眠会社からの見積)を防ぐ目的があります。
4) 見積提案書の添付
システム開発では、通常の見積書に加えて、『見積提案書(見積書記載の各項目について、詳細な説明等が記載された、提案者→クライアントへの提案書)』が必要とされています。
見積提案書の記載必須項目は以下となります。
[記載必須項目]
① 実現可能な機能(事業者要望の回答)
② システム構成図
③ マスタースケジュール及びマイルストーン
④ 開発体制
⑤ 納品物
パッケージソフトウェア(ASP/クラウド型サービスを含む既成ソフトウェア)を元にした開発を行う場合は、パッケージソフトウェアの製品仕様を記載している書類(カタログ等)も必要となります。
3. まとめ
補助金採択後は、特にシステム開発の見積書が精緻に審査されるため、工程別または機能別の人月・人日単価を明記し、パッケージ利用時は単価とカスタマイズ費用を分けて記載する必要があります。
また、発注先の会社概要書と、機能・構成図・スケジュール等を含む見積提案書(本見積・相見積とも)を必ず添付しなければなりません。
迷った時は自社で抱え込まず、専門家に相談されることをお勧めします!
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採択後でお悩みの際は是非ともお気軽にお声がけください。