2025年の『ものづくり補助金』は今どうなってる?~後編~

※本記事は、2024年11月1日時点の情報をもとに記載しています。

『ものづくり補助金』『IT導入補助金』『持続化補助金』等、国の補助金は、どのように決定されるのでしょうか?
国の補助金は、本予算あるいは補正予算として審議され、決定されます。

本日は、これら補助金の原資となる国の予算が、どのような流れで決められているのかを詳しく解説します。
前回の記事で解説した本予算(当初予算)に続き、今回は補正予算について見ていきましょう。

こんな方に是非読んでほしい
  • 『ものづくり補助金』等、補助金・助成金の活用をお考えの方
  • 補助金の予算がどう決まるのか知りたい方
  • 補助金の活用について、いつ頃から準備すればよいのか知りたい方

1. 予算の種類(おさらい)

国の予算には、本予算(当初予算)補正予算の2種類があります。

本予算(当初予算)は、年度当初に策定される1年間(4月1日からの1年間)の基本的な予算のことです。
この予算には、社会保障、教育、防衛、インフラ整備など、国が1年間に行うすべての支出計画が含まれています。
税収や国債などの財源と合わせて策定され、国の経済活動や国民の生活を支えるための基盤となるものです。

補正予算は、年度途中において本予算(当初予算)に追加、変更、または修正が必要な場合に策定される予算のことです。
予期せぬ経済状況の変動や、災害などの緊急事態への対応、景気対策の必要性などが生じたときに編成されることが多いものとなっています。

補助金の予算は、これら本予算(当初予算)・補正予算の一部という位置づけです。

2. 補正予算が決まるまでの流れ

補正予算が決まるまでの流れは、下図の通り、ステップ自体は本予算と同様です。
但し、補正予算は具体的な必要性に応じて編成されるという特性上、本予算よりも迅速なプロセスが取られます。

①補正予算編成方針の発出
政府が補正予算を組む必要があると判断すると、その方針が内閣で決定されます。
方針は災害復興や経済対策など、緊急性の高さに応じて定められます。
この段階で必要な経費や対策の概要が示されます。

②各省庁からの予算要求
各省庁は補正予算編成方針に従い、翌年度に必要な予算額を「予算要求」として財務省に提出します。

③財務省による査定・調整
財務省主計局が各省庁からの要求を精査し、必要経費の妥当性の査定や配分の調整を行います。

④政府予算案の決定
財務省がまとめた予算案が内閣に提出され、内閣会議で最終調整が行われた上で、政府予算案が正式に決定されます。
内閣は緊急性に応じて迅速に決定を行います。

⑤国会審議、補正予算の成立
政府予算案は、国会での審議を経て、補正予算として成立します。
緊急性が高い場合は、数日から数週間で審議が完了することもあります。

⑥予算の施行
予算が成立すると、各省庁は補正予算に基づいて事業(補助金の実施など)を開始し、災害復興や経済対策などの緊急支出が実行に移されます​。

3. 過去の予算例(補助金関連)

過去5年間(令和2年度~令和6年度)に、中小企業向けの主な補助金関連で組まれた予算は以下の通りです。

事業補助金R2
(第1次
補正予算)
R2
(第2次
補正予算)
R2
(第3次
補正予算)
R3
(本予算)
R3
(補正予算)
R4
(本予算)
R4
(補正予算)
R5
(第2次補正予算)
中⼩企業等事業再構築促進事業事業再構築補助金1兆1,485億円6,123億円5,800億円
中小企業省力化投資補助事業中小企業省力化投資補助金1,000億円
事業承継・事業引継ぎ推進事業事業承継・引継ぎ補助⾦56.6億円(※1)16.3億円(※1)
中⼩企業⽣産性⾰命推進事業ものづくり補助⾦500億円1,000億円2,300億円135億円2,001億円(※2)2,000億円(※2)2,000億円(※2)
IT導⼊補助⾦
持続化補助⾦

※1:補助金以外の予算も含む
※2:事業承継・引継ぎ補助⾦の予算も含む

このように、補助金関連の予算は、補正予算で組まれた実績が数多くあります。

4. まとめ

本記事では、『ものづくり補助金』『IT導入補助金』『持続化補助金』等の補助金がどのような流れで決められているのか、主に補正予算についてご紹介しました。
具体的な補助金の公募は、予算成立後に詳細が決まったものから実施されます。
公募から申請締切までの期間が短いものもあり、補助金を有効に活用するには早め早めの準備が大切です。
補助金の活用をお考えの方は、是非エム・アイ総研にご相談ください。

2025年の『ものづくり補助金』は今どうなってる?~前編~
2025年の『ものづくり補助金』は今どうなってる?~後編~ ※本記事

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