「製品・サービス高付加価値化枠」のポイントを徹底解説
多くの中小企業の挑戦を支えてきた「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」の第22次公募の詳細が発表されました。
今回は、多くの事業者様が活用されるメインの申請枠である「製品・サービス高付加価値化枠」に絞って、最新の公募要領(2025年12月9日時点版)をもとに、スケジュールの注意点や補助金額、必須要件をわかりやすく解説します。
1. 第22次公募のスケジュール:年末年始の準備が重要
今回の第22次公募は、以下のスケジュールで進行します。
- 公募開始(要領公開): 2025年10月24日(金)
- 電子申請受付開始: 2025年12月26日(金)17:00~
- 申請締切: 2026年1月30日(金)17:00(厳守)
- 採択発表予定: 2026年4月下旬頃
申請の締切は1月末です。申請に必須となる「GビズIDプライムアカウント」の発行には時間がかかる場合があるため、まだお持ちでない方は早急に準備を進めましょう。
2. 「製品・サービス高付加価値化枠」とは?
この枠は、中小企業等が「革新的な新製品・新サービスの開発」に必要な設備投資等を行うことを支援するものです。
単に古くなった機械を同じような機械に更新するだけでは対象になりません。「顧客に新たな価値を提供すること」を目的に、自社の技術力を活かして新しい製品やサービスを開発する取り組みである必要があります。また、自社にとっての「革新性」をアピールすることが重要です。

引用:第22次 公募要領概要版
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金事務局(全国中小企業団体中央会)
3. 補助金額と補助率:従業員規模で変わる上限額
補助金額の上限は、申請時点の従業員数によって異なります。
尚、「従業員」には役員は入りません。正社員に加えて、パート等が含まれる可能性があります。
■ 補助上限額
- 5人以下: 750万円
- 6~20人: 1,000万円
- 21~50人: 1,500万円
- 51人以上: 2,500万円
※補助下限額は一律100万円です。
■ 補助率
- 通常の中小企業: 1/2
- 小規模企業者・小規模事業者: 2/3 (※再生事業者の場合も2/3となります)
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4. どのような経費が使える?
ものづくり補助金では、「単価50万円(税抜)以上の機械装置等」の設備投資を行うことが必須条件です。
対象となる経費:
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費、専門家経費、運搬費
- クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
パソコンやプリンタ等汎用性のあるもの、公道を走る車両、不動産取得費などは対象外ですのでご注意ください。
また、「機械装置・システム構築費」以外の経費(技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウド利用費、原材料費、外注費、知的財産権関連経費)は、総額で500万円(税抜き)までが補助上限となります 。
特に注意したいのが、「機械装置・システム構築費」は必ず含める必要があるという点です。また、交付決定日よりも前に発注・契約・購入を行った経費は、すべて補助対象外となります。
5. 申請のための「3つの基本要件」
申請にあたっては、以下の3つの目標を満たす「3〜5年の事業計画」を策定する必要があります。
- 付加価値額の増加: 事業者全体の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を、年平均3.0%以上増加させること。
- 給与支給総額の増加: 全従業員等の給与支給総額を、年平均2.0%以上増加させること。
- 事業所内最低賃金の引き上げ: 事業場内の最低賃金を、地域別最低賃金より「+30円」以上の水準にすること。
※従業員数が21名以上の場合は、「一般事業主行動計画」の策定・公表も必須要件となります。但し、応募時点で公表していない場合は、交付申請までに公表する旨を「宣誓」すれば応募可能です 。
「給与支給総額の増加」「事業所内最低賃金の引き上げ」は、未達成の場合、補助金返還の対象になるため要注意です。
6. 口頭審査もあります!
一定の基準を満たした事業者には、書類審査に加えてオンライン(Zoom等)での「口頭審査」が行われます。これは経営者ご自身(法人の代表者)が対応する必要があり、コンサルタント等の同席は一切認められません。事業計画の内容を深く理解し、ご自身の言葉で説明できるように準備しておくことが採択へのカギとなります。
まとめ
今回の第22次公募は、原材料費の高騰や賃上げ要請など、厳しい環境下で新たな一歩を踏み出す中小企業にとって大きなチャンスです。
- 締切は2026年1月30日
- 単価50万円以上の設備投資が必須
- 革新的な新製品・新サービスの開発がテーマ
まずは「自社でどんな新しい取り組みができるか」「そのためにどんな設備が必要か」を検討しましょう。
自社が要件に合致するか確認したい、採択される事業計画書のポイントを知りたいという方は、お早めにご相談ください。貴社の強みを活かした、実現性の高い計画策定をご支援いたします。
中小企業の事業者様の資金調達手段の1つである補助金・助成金について、情報提供から申請支援、採択後のご支援まで、事業者様のご希望をお伺いしながらサービス提供いたします。
補助金・助成金活用をご検討の際は是非ともお気軽にお声がけください。