医科の病院・診療所では、設備投資や業務効率化に補助金を活用できる可能性があります!
本記事では、2026年8月時点の最新公募である次の2つの補助金を解説します。
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(第1回)
- 中小企業省力化投資補助金(一般型・第7回)
※以下、本記事では前者を「新事業ものづくり補助金」、後者を「省力化補助金」と表記します
※その他の補助金については、各制度の最新の公募要領等をご確認ください
医療機関の補助金活用では、これまで診療報酬・介護報酬との重複や、医療法人が補助対象者に含まれないことが制約となっていました。
最新公募では診療報酬・介護報酬の取扱いが見直され、補助金を検討できる範囲が変わりました。
以下、医科の個人開設・医療法人ごとの対象可否と活用例を解説します。
1. 最近の変更点|医療機関が補助金を検討しやすくなった理由
1-1. 診療報酬・介護報酬は二重受給の対象外へ
国の補助金では、同じ事業や経費について複数の公的支援を受ける「二重受給」は、原則として認められません。医療機関では、保険診療等に使う設備が二重受給に当たるのではないかという問題がありました。
当院は保険診療で医療機器を使っているので、診療報酬との二重受給になって補助金は使えないということですか?
これまではそうでした。しかし最新の補助金では取扱いが変わりました。
新事業ものづくり補助金第1回では、診療報酬・介護報酬は二重受給の対象から除外されています。

省力化補助金も第6回から取扱いが変わり、最新の第7回では、診療報酬・介護報酬との重複は申請対象外となりません。
この変更により、診療報酬・介護報酬を受ける事業でも、補助金を検討できるようになりました。
| 区分 | 補助金・公募回 | 診療報酬・介護報酬の取扱い |
| これまでの公募 | ものづくり補助金・第23次 | 重複を含む事業は対象外 |
| これまでの公募 | 新事業進出補助金・第4回 | 重複を含む事業は対象外 |
| これまでの公募 | 省力化補助金一般型・第5回 | 重複を含む事業は対象外 |
| 最新の公募 | 新事業ものづくり補助金・第1回 | 診療報酬・介護報酬との重複は申請対象外とならない |
| 最新の公募 | 省力化補助金一般型・第7回 | 診療報酬・介護報酬との重複は申請対象外とならない |
ただし、保険診療に使う医療機器等がすべて対象になるわけではありません。補助対象者、導入目的、事業計画、対象経費、賃上げ等の要件を満たす必要があり、国の他の補助金と同じ設備費を重複申請することもできません。
1-2. 医科は法人か個人で対象可否が異なる
医科の医療法人は、新事業ものづくり補助金第1回、省力化補助金一般型第7回とも補助対象者に含まれません。一方、個人開設の医科は、会社または個人に関する従業員数等の要件を満たせば、補助対象者に該当する可能性があります。
当院は個人開設なので、補助金が使えるということですね?
はい。個人開設なら対象になる可能性があります。
ただし、賃上げや付加価値額・労働生産性など、各補助金の要件を満たす必要があります。

すべての病院・診療所が対象になるわけではなく、開設主体と各制度の要件確認が必要です。このように、医科では個人開設か医療法人かによって対象可否が異なります。
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2. どんな医科の病院・診療所が対象になる?
医科の医療機関には、病院・診療所の区分に加え、個人、医療法人、一般社団法人、社会福祉法人、学校法人などの開設主体があります。ここでは、次の2区分について確認します。
1. 個人開設の医科
2. 医科の医療法人
一般社団法人、学校法人、国・地方公共団体等は、両補助金とも対象外です。社会福祉法人は、新事業ものづくり補助金では対象外ですが、省力化補助金では、所定の要件を満たす場合に対象となります。
| 開設主体・診療分野 | 新事業ものづくり補助金・第1回 | 省力化補助金一般型・第7回 |
| 個人開設 | 申請可能性あり | 申請可能性あり |
| 医療法人 | 対象外 | 対象外 |
「申請可能性あり」でも、従業員数、賃上げ、付加価値額・労働生産性など、各補助金の要件を満たす必要があります。
3. 新事業ものづくり補助金と省力化補助金の違い
3-1. 新事業ものづくり補助金は、新しい製品・サービスや市場への取組を支援
新事業ものづくり補助金は、技術的革新性のある新製品・新サービスの開発や、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援します。
医療機器の購入自体ではなく、その設備を使ってどのような新サービスや事業を行うかが重要です。例えば、従来行っていなかった予防医療サービスや、企業向け健康管理サービスへの進出が考えられます。単なる設備導入で、新製品・新サービスの開発を伴わない事業は原則対象外です。
補助金額、補助率、申請枠、対象経費などは、以下の記事で解説しています。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金第1回の解説はこちら
3-2. 省力化補助金は、業務時間の削減を支援
省力化補助金一般型は、人手不足に対応するため、機械装置やシステムで現在人が行っている業務を削減・自動化する取組を支援します。
医科では、受付、会計、問診、在庫管理などが検討対象になり得ます。「便利になる」「診療品質が向上する」だけでは不十分です。導入前の作業時間と、導入後の削減時間を具体的に示す必要があります。
| 比較項目 | 新事業ものづくり補助金 | 省力化補助金一般型 |
| 主な目的 | 新製品・新サービスの開発、新市場への進出 | 人手不足の解消、業務の省力化 |
| 計画の中心 | 新規性、市場性、顧客への新しい価値 | 業務工程、削減時間、生産性 |
| 医療機関での活用例 | 新たな予防・健康管理サービス | 受付、会計、問診、滅菌等の自動化 |
| 単純な設備更新 | 原則として難しい | 省力化効果がなければ難しい |
4. 医科の病院・診療所で考えられる活用パターン
具体的な活用パターンとして、次のようなものが考えられます。
| 設備・事業例 | 想定する補助金 | 計画上のポイント |
| 自動精算機・自動受付機 | 省力化補助金 | 受付、会計、現金管理等の削減時間を示す |
| AI問診・予約連携システム | 省力化補助金 | 問診内容の転記や電話予約対応の削減効果を示す |
| 企業向け健康管理サービス | 新事業ものづくり補助金 | 従来とは異なる顧客層や市場への進出を示す |
上表は検討例であり、記載された設備を導入すれば必ず補助対象になるわけではありません。
新事業ものづくり補助金では新サービス・新市場、省力化補助金では削減できる業務時間が重視されます。
5. まとめ|対象者と導入目的を確認して補助金を選ぶ
新事業ものづくり補助金第1回と省力化補助金一般型第7回について、医科の対象範囲と活用例を解説しました。
主なポイントは次のとおりです。
- 新事業ものづくり補助金第1回と省力化補助金第7回では、診療報酬・介護報酬は二重受給規制の対象から除外されている
- 医科の医療法人は、新事業ものづくり補助金第1回、省力化補助金一般型第7回とも対象外
- 新事業ものづくり補助金は新製品・新サービスや新市場への取組、省力化補助金は業務時間の削減が中心
- 同じ設備でも、申請主体や導入目的によって対象可否が異なる
実際の申請では、従業員数、賃上げ、付加価値額・労働生産性、対象経費、過去の補助金利用状況なども確認が必要です。
設備投資や新たなサービスを検討される際にはご相談ください
同じ設備であっても、申請主体や導入目的、事業計画の内容によって、補助対象となるかどうかは異なります。医科の病院・診療所で設備投資や新たなサービスの開始を検討されている方は、申請主体や導入予定設備が補助対象となる可能性を確認するため、エム・アイ総研へご相談ください。
エム・アイ総研株式会社が運営する『補助金採択の羅針盤』
中小企業の事業者様の資金調達手段の1つである補助金・助成金について、情報提供から申請支援、採択後のご支援まで、事業者様のご希望をお伺いしながらサービス提供いたします。
補助金・助成金活用をご検討の際は是非ともお気軽にお声がけください。