株式会社成田ケンコウファーム様は、千葉県成田市で土づくりと減農薬にこだわり 、県内最大級のれんこん栽培面積を誇る農業法人です。


大手小売や食品メーカーへ安定出荷を続ける中で、物価高によるコスト増や地域の農地維持といった課題に直面していました。
こうした状況を踏まえ、同社はオーガニック食品市場の拡大や消費者の健康志向の高まりに応えるべく、同社として初となる『オーガニックれんこんの生産・販売』に挑戦されました 。
この新たな取り組みを実現するには、農薬混入リスクを完全に排除するための専用機械導入が不可欠でした。
そこで、補助金を活用した設備投資を検討し、弊社「補助金採択の羅針盤」にご相談いただきました。


弊社サポートのもと、オーガニック市場の具体的需要分析や、専用機械導入による生産性向上の数値化、農薬混入を防ぐ品質管理体制の整理など、事業計画策定から提出資料の準備/アドバイスなど、補助金申請手続きを進められました。
結果として、ものづくり補助金(第8回公募)で採択され、現在も交付申請・実績報告・年次の事業化状況報告まで一気通貫で支援を受けられています。
今回、“オーガニックれんこん生産への初参入”という転換に挑まれた背景や、採択に至るまでのプロセスについて、代表の平野社長にお話を伺いました。
インタビュー

インタビュアー
『補助金採択の羅針盤』成瀬

インタビュイー
『株式会社成田ケンコウファーム』平野社長
ご依頼のきっかけ
成瀬
補助金申請のご支援で弊社にお声がけいただいたきっかけを教えてください。
平野社長
弊社は千葉県最大のれんこん農家ですが 、近年は肥料・農薬価格の高騰により利益率が悪化し、さらに地域の耕作放棄地の引き受け要望も増えていました。経営を安定させて地域の農地を守るため、「オーガニックれんこん」の生産に挑戦したいと考えました。しかしそのためには、高額な専用設備が必要であり、補助金の活用を考えていたところ、千葉県内で採択率が高いと評判だったエム・アイ総研さんを知人から紹介していただきました。
成瀬
なぜ「オーガニックれんこん」だったのでしょうか?
平野社長
消費者の健康志向が非常に高まっていると感じていたからです 。実際、弊社の既存の取引先である大手スーパーや食品加工業者からも、「オーガニックれんこんを生産したらすぐに出荷してほしい」という具体的なお声をいただいており、販路はすでに確保できていました。
成瀬
この補助事業(オーガニック化)の最大の課題は何でしたか?
平野社長
技術面での最大の課題は「農薬の混入リスクの防止」です。万が一、オーガニックで管理しているれんこんに農薬が混入すれば、取得した有機JAS認証が取り消され、取引先の信用もブランドも失ってしまいます。
通常商品向けの既存の機械を洗浄してオーガニックレンコンにも使う方法も検討しましたが、時間がかかりますし、農薬混入リスクをゼロにはできません。解決策は、通常のれんこんとオーガニックれんこんの生産プロセスを「完全に分断」することしかありません。そのため、オーガニック専用の動力噴霧器や収穫用ポンプを導入することが必須条件でした。
補助金申請~採択まで
成瀬
補助金申請サポートでは具体的にどのような支援を受けたのでしょうか。
平野社長
まず、最適な補助金として「ものづくり補助金」を提案いただき、計画の骨組みから申請書類の細部に至るまで、ゼロから作り上げるのを手伝っていただきました。
事業計画書において、導入する機械がもたらす効果を言葉で説明するだけでなく、「具体的な効果を数値として示す」ことの重要性も教えていただきました。 例えば、専用機械導入による生産性向上の効果(年間3,440時間の作業時間削減など)を具体的に数値化し、グラフや図表を効果的に配置するなど、自社だけではとても考えつきません。おかげさまで、短期間で密度の高い計画書に仕上がりました。
成瀬
支援を受けて、どういった点が良かったと感じますか?
平野社長
一番よかったのは、ぼんやりしていた「オーガニックで利益を上げたい」という想いが、審査員の方にも伝わるような、しっかりとした事業計画になったことです。
「弊社の課題はこれで(コスト高・農地保全)、市場にはこんなチャンスがあって(オーガニック市場)、だからこの機械が必要で(専用機械)、お客さんからの引き合いもあり生産性も上がる(根拠)」という展開で、話の筋道をスッと通してもらえました。
申請の準備をしながら、会社の強みや課題が改めて見えてきた。これからどう進むべきか、道筋がはっきりしたのは本当に大きな財産でした。
採択後の支援
成瀬
採択後の動きと効果を教えてください。
平野社長
正直、想像よりスムーズでした。採択後はまず交付申請でしたが、「どの書類をいつ出すか」をチェックリスト化してもらえたので、迷わず進められました。必要な見積りや写真も、指示どおり集めたらそのまま事務局審査も通りました。
設備投資が終わったあとの実績報告も、支払いの記録や設置写真などステップごとに助言してもらい、抜け漏れがないかも確認してもらえました。
その後の事業状況報告(年次)も、まとめ方をテンプレートで用意してもらえたので、短時間で提出できました。
結果として、補助金は滞りなく受け取れましたし、社内でも「思っていたより簡単だったね」という声が多かったです。
成瀬
補助金に採択されて、会社に何か変化があったか教えてください。
平野社長
一番は、取引先からの信用が上がり、経営の安定性が見えてきたことです。「体制が整うなら発注を増やしたい」と言ってもらえて、実際に定期案件が前に進んでいます。社内でも「やるべきことがはっきりした」と前向きになりました。 また、銀行の融資もよりスムーズになりました。補助金は後払いなので先に設備投資代を支払う必要がありましたが、補助金の支給が正式に決定したことを示す「交付決定通知」があることで担当者さんの反応も変わり、今まで以上に融資の承認スピードが上がりました。
これから申請される方へメッセージ
成瀬
これから補助金申請する方へ、アドバイスをお願いします。
平野社長
最初に補助金を考え始めたとき、私たちは知識ゼロの状態から始めましたが、エム・アイ総研さんというプロフェッショナル集団にお任せしたことで、採択から補助金受取まで安心して進めることができました。正直、社内だけでは申請書類を完成させるだけでも難しかったと思います。採択後の事務作業も、自社内だけで完結させるには相当な労力がかかり、下手したら最終的に補助金がもらえないリスクがあったと思います。最初から実績の豊富な専門家に相談してアドバイスもらうのが、補助金活用の、そして事業拡大の近道だと思います。