事業承継・M&A補助金 採択事例 ~ 先代の技術を守り、後継者が自ら経営できる会社へ

事業承継・M&A補助金 採択事例 ~ 先代の技術を守り、後継者が自ら経営できる会社へ

今回は、『補助金採択の羅針盤』の支援により、事業承継・M&A補助金(事業承継促進枠)を活用して見事採択された、産業用部品を製造する中小企業の事例を取り上げます。

こんな方にぜひ読んでほしい

  • 親族内での事業承継を考えているが、進め方に悩んでいる方
  • 事業承継を機に設備更新や経営改革を進めたい方
  • 自社の強みや経営者の想いを、説得力のある事業計画書にまとめたい方


1.受け継ぐべき「技術」が、事業承継の課題にもなる

今回取り上げるのは、長年にわたって産業用部品を製造してきた中小企業です。

同社の強みは、高い加工技術と、長年の取引を通じて築いてきた顧客からの信頼です。

特に難易度の高い加工技術については、現社長が自ら現場に立ち、品質を支えてきました。
一方、後継者も営業力を発揮して取引先を広げ、会社の業績回復を牽引してきました。先代の「技術力」と後継者の「営業力」が、この会社の大きな強みとなっています。

しかし、ここに事業承継の難しさがありました。

高度な加工技術の多くが現社長個人に集中しており、社長が現場を離れると、その技術を十分に引き継げる人材が育っていませんでした。

さらに、後継者自身も営業や経営に加えて現場の加工業務をかかえ、負担が集中していました。長年培ってきた技術や顧客からの信頼を、どうすれば次の世代につなげられるのか。
私たちは、その解を探るべくヒアリングによる深堀りを開始しました。


2.事業承継は「数字だけではない」

今回の事例で難しかったのは、先代が今も現場に立ち、難易度の高い加工を自ら担っていることです。「まだ自分で経営できる」という想いがある一方、その技術を任せられる人材は十分に育っていません。

一方、後継者は営業力で取引先を広げ、業績の回復を牽引してきました。しかし、営業に加え現場作業も兼務し、受注した仕事の一部は設備や人員の制約から外部に委託せざるを得ません。

今後は新型加工設備の導入や従業員の育成を進め、先代の技術を組織で引き継ぎ、後継者が経営判断に専念できる体制をつくる必要があります。

ただしそれは、先代にとっては「まだ自分ができる仕事を人に任せる」こと、後継者にとっては「今までのやり方を変える」ことでもありました。

「本当に今が承継の時期なのか」という迷いもあったでしょう。長年培った経験を活かしながら、働き方や仕事の任せ方を変える。その難しさは、数字には表れません。

だからこそ今回の計画では、先代が技術を段階的に伝え、承継後も助言を続ける一方、後継者が設備投資や人材育成を主導することとしました。先代が元気なうちに、後継者が自ら判断できる会社へ移行する。そこに事業承継の本当の意味があります。

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3.設備投資は、生産性だけでなく「経営のあり方」を変える

今回の事例では、事業承継に合わせて、老朽化した加工設備を新型加工設備に更新する計画が進められています。

従来の設備は老朽化が進み、作業効率や生産能力の面で課題を抱えていました。

新型加工設備の導入により、製造工程の効率化と作業時間の短縮を図り、限られた人員でもより多くの受注に対応できる生産体制の構築を目指しています。

しかし、今回の設備投資には、単なる効率化以上の意味があります。

それは、これまで先代経営者の経験や勘に頼っていた加工技術を、他の従業員にも引き継げる仕組みへ変えていくことです。

加工ノウハウをデータとして蓄積・標準化し、新しい従業員への技術指導にも活用する。そうすることで、特定の経営者だけに依存しない生産体制を目指せます。

さらに、生産能力が向上すれば、これまで設備の制約によって外部に委託していた仕事を、自社で対応できる可能性も高まります。

後継者が現場作業に追われる時間を減らし、営業活動や経営判断に専念できる環境をつくることにもつながります。


4.事業計画書のリアリティを決めるのは「ヒアリング力」

ここまで見てきたように、事業承継には、会社の数字や設備の状況だけでは分からない課題が数多くあります。

事業計画書を作成する際、売上や利益、設備投資額、生産性の改善効果などを示すことはもちろん重要です。しかし、数字を並べるだけでは、その会社が抱えている本当の問題は伝わりません。

実際に経営者や後継者の話をじっくり聞いて、初めて見えてくるものです。

私たちは事業承継における補助金申請支援では、支援者の「ヒアリング力」が何より重要だと考えています。その会社だからこそ必要な取り組みを描くことが、採択を目指す事業計画書づくりの出発点となります。


5.まとめ

経営者が長年培ってきた技術や顧客からの信頼を大切にしながら、新しい経営環境に対応できる組織や生産体制へ変えていく。そして、後継者が自らの意思で経営できる会社をつくる。

そのためには、設備投資や生産性向上といった経済的な側面とともに、経営者や後継者の想いにも目を向ける必要があります。

エム・アイ総研株式会社が運営する『補助金採択の羅針盤』では、事業者様の想いを大切にしながら、補助金申請を通じた事業成長をご支援しています。

事業承継や設備投資に伴う補助金活用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

エム・アイ総研株式会社が運営する『補助金採択の羅針盤』

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